E-計算!

なんでも計算しちゃいましょう!

標準的な肺活量を計算しよう。

肺活量
肺活量

運動する時や、階段を上がる時に息切れがする…なんてことあるよね。自分がどれぐらい肺活量があるか気になりますよね。

実は、性別と身長、年齢だけで平均的な標準肺活量が計算できます。

それではさっそく計算してみましょう!

年齢
身長cm
性別男性   女性

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Baldwinの式

1948年?半世紀以上前に、Baldwinさん?が発表した、もっとも広く使われている式で、性別、年齢、身長で、予測肺活量を計算します。
ただ、日本人向けで作ったわけでもなく、仰向けでの測定と80歳以上が含まれていないようで正確性に疑問があるようです。

対象年齢は、男性18~69歳、女性18~79歳とのことだが、まだまだ病院はでそれ以上の高齢者もBaldwin使っているところが多いらしい。

性別予測計算式(ml)
男性(27.63 -(0.112×年齢))×身長cm
女性(21.78 -(0.101×年齢))×身長cm

 

日本呼吸器学会の式

日本呼吸器学会(JRS)の肺生理専門委員会が2001年に発表した式で、Baldwinの式の不満を改善して、日本人向けに改良したらしいです。これも性別、年齢、身長で計算できます。

Baldwinの式よりも少し高めの数値がでるようで拘束性換気障害っていう病気?の判定もされやすい、18歳以上を計算の対象。

この学会では現在はこの日本人の正常予測式を推奨しているが、導入している施設は少ないらしいが、身体障害者手帳の認定はこの式が使われるようになったとのこと。非喫煙健常者1,811名のデータベースを基にしている。

性別予測計算式(L)
男性0.045×身長cm-0.023×年齢-2.258
女性0.032×身長cm-0.018×年齢-1.178

 

LMS法の式

上記と同じく、日本呼吸器学会(JRS)の肺生理専門委員会が2014年に発表した新基準の式で、コンピューターの計算能力が向上したから、LMS法っていう方法で基準値を計算したらしい。これも性別、年齢、身長で計算できます。一番信頼度高いと思います。

17歳~95歳までの範囲で、年齢ごとの係数を用いたことで、年齢ごとの精度が上がった。若い人と高齢者と同じ計算じゃなんとなく同じ式では成り立たないもんね。

ちなみに、LMS法は、年齢ごとの標準値とかを考える統計手法だそうです。計算式はちょー面倒です。年齢ごとの係数があるし、さらにexp、lnって…関数電卓ほしいです。

2007~2010年の呼吸検査で取得した、非喫煙健常者20,341人のデータを基に、成人日本人のスパイロメトリー基準値を作ったみたいなので、2001より全然正確な気がする。信頼度は高い気がするが、まだ議論されているらしく、現場レベルでは採用されているところは少ないぽい。知らんけど。

性別計算式(L)
男性exp(-8.8317+2.1043×ln(身長)-0.1382×ln(年齢)+年齢係数)
女性exp(-8.0707+1.9399×ln(身長)-0.1678×ln(年齢)+年齢係数)

 

スパイロメトリー基準値

よくわからん論文をいろいろ読むと、肺活量以外にも計算式があった。上記の日本呼吸器学会が発表した2つの式に付随する予測式がある。難しくてよくわからんが、COPDっていう病気の判定基準に使われる為に議論があるらしい。

BaldwinのFEV1の式

性別FEV1(L)計算式
男性0.0344×身長-0.033×年齢-1.00
女性0.0267×身長-0.027×年齢-0.54

 

スパイロメトリー基準値(肺生理専門委員会2001)

男性計算式(L)
VC(L)0.045×身長-0.023×年齢-2.258
FVC(L)0.042×身長-0.024×年齢-1.785
FEV1(L)0.036×身長-0.028×年齢-1.178
FEV1/VC(%)0×身長-0.215×年齢+93.216
FEV1/FVC(%)0.028×身長-0.910×年齢+89.313
V50(L/秒)0.043×身長-0.046×年齢-0.385
V25(L/秒)0.021×身長-0.031×年齢-0.073
女性計算式(L)
VC(L)0.032×身長-0.018×年齢-1.178
FVC(L)0.031×身長-0.019×年齢-1.105
FEV1(L)0.022×身長-0.022×年齢-0.005 
FEV1/VC(%)-0.063×身長-0.283×年齢+106.223
FEV1/FVC(%)-0.090×身長-0.249×年齢+111.052
V50(L/秒)0.014×身長-0.038×年齢-3.150
V25(L/秒)0.003×身長-0.025×年齢-2.155

 

LMS法による日本人のスパイロメトリー基準値(肺生理専門委員会2014)

男性計算式(L)
VC(L)基準値exp(-8.8317+2.1043×ln(身長)-0.1382×ln(年齢)+Mspline)
LLNexp(ln(基準値)+ln(1-1.645×0.3464×exp(-2.3730+0.045×ln(年齢)+Sspline))/0.3464)
FEV1(L)基準値exp(-7.5722+1.9393×ln(身長)-0.3068×ln(年齢)+Mspline)
LLNexp(ln(基準値)+ln(1-1.645×exp(-3.044+0.2325×ln(年齢)+Sspline)))
FVC(L)基準値exp(-8.8877+2.1494×ln(身長)-0.1891×ln(年齢)+Mspline)
LLNexp(ln(基準値)+ln(1-1.645×exp(-2.8335+0.1726×ln(年齢)+Sspline)))
FEV1/FVC基準値exp(1.2578+0.1948×ln(身長)-0.1220×ln(年齢)+Mspline)
LLNexp(ln(基準値)+ln(1-1.645×(8.905-1.799×ln(年齢)+Lspline)×exp(-3.266+0.150×ln(年齢)+Sspline))/(8.905-1.99×ln(年齢)+Lspline))
女性計算式(L)
VC(L)基準値exp(-8.0707+1.9399×ln(身長)-0.1678×ln(年齢)+Mspline)
LLNexp(ln(基準値)+ln(1-1.645×0.1268×exp(-2.7071+0.1447×ln(年齢)+Sspline))/0.1268)
FEV1(L)基準値exp(-6.9428+1.8053×ln(身長)-0.3401×ln(年齢)+Mspline)
LLNexp(ln(基準値)+ln(1-1.645×0.7783×exp(-3.1024+0.2537×ln(年齢)+Sspline))/0.7783)
FVC(L)基準値exp(-8.3268+2.0137×ln(身長)-0.2029×ln(年齢)+Mspline)
LLNexp(ln(基準値)+ln(1-1.645×0.6127×exp(-2.8527 +0.1447×ln(年齢)+Sspline))/0.6127)
FEV1/FVC基準値exp(1.2854+0.1844×ln(身長)-0.1425×ln(年齢)+Mspline)
LLNexp(ln(基準値)+ln(1-1.645×(12.989-2.987×ln(年齢)+Lspline)×exp(-3.1624+0.1068×ln(年齢)+Sspline))/(12.989-2.987×ln(年齢)+Lspline))

ここまでくると、正直なにがなんだか凡人には理解できない(笑)

FEV1・・・一秒量、最初の1秒で吐き出される息の量

FVC・・・努力肺活量、思い切り息を吸ってから強く吐き出したときの息の量

他に、全肺気量TLC、最大吸気量IC、予備吸気量IRV、1回換気量TV、機能的残気量FRC、予備呼気量ERV、残気量RVとかがスパイログラムで分かるらしい。

まとめ

一般人がなんとなく肺活量に興味を持って、肺活量の標準値計算を作ったんだけど。調べれば調べるほど専門的になってしまった。。

肺活量と病気、COPDとかの判定に伴って、実際の検査データが増える過程で、徐々に計算式の精度が上がって研究が進んでいることがわかった。特にLMS法は、年齢・性別毎にsplineっていう係数が存在するので、計算が面倒だった。

このサイトでは、肺活量は2001年の式を採用してみた。2014の標準は少し高い気がするから。。。

参考:日本呼吸器学会、新たなスパイロメトリー基準値に関するステートメント、従来から使用されてきた肺活量および1秒量予測式と日本人予測式との比較検討、あといろいろ。

 

      2020/05/06

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